課題解決事例 真空浸炭で耐久性を向上
solution

お客様の課題
H社様は大手自動車メーカーで採用されるモーターやインバーターなどの製造メーカーです。ベアリングのボール軸受け部分の耐久性に課題を抱えており、当社に相談をいただきました。
解決の内容・施策
主な要因
今までは製品にガス浸炭を行っており、主な要因は「粒界酸化」だろうとあたりを付けました。
「粒界酸化」とは金属材料の表面処理において、組織と組織の間に酸化物が形成される現象のことです。
特にガス浸炭では、高温の炭化ガス環境下ではあるものの、どうしても炉内には酸素が微量に存在するため、鋼材の表面に酸化が生じやすくなります。
特に今回の製品は低カーボン鋼(炭素量0.2%程度のもの)だったため、炭素拡散が速く粒界酸化の影響を受けやすい製品でした。
粒界酸化が進行すると、表層の脆化や疲労強度の低下を引き起こし、加工精度や耐久性に悪影響を及ぼします。
解決策
一般的に粒界酸化のない製品を製造するためには、真空浸炭やプラズマ浸炭が用いられます。
当社で真空浸炭炉を有しているため、真空浸炭での試作を行いました。
真空浸炭とガス浸炭の違い
ガス浸炭は、自動車部品など大量生産品の表面硬化処理に広く使われています。RXガスなどを使用し、比較的低コストで処理が可能ですが、炉内にどうしても酸素が残るため粒界酸化が発生しやすくなります。また、すす(炭素の除去)が発生するため、環境への配慮や定期的なメンテナンスが必要です。
真空浸炭は炉の設備コストが高く、処理費用が割高になる傾向がありますが、真空環境下で処理を行うため、炉内の酸素を極限まで減らし、粒界酸化を防止できます。アセチレンガスを使用し、他のガスを混ぜる必要がないため、処理の安定性が高いのも特徴です。また、すすが発生せず、CO₂排出もないことから、環境負荷の低い方法になります。

効果・メリット
耐久性が従来の1.3倍に
試作の結果、粒界酸化が発生しなくなり耐久性が従来の1.3倍に延びました。
このように、表面硬さが上がらない鋼材(低炭素鋼、ss等)は真空浸炭が有効です。
当社では高濃度浸炭や深浸炭の実績も豊富にございます。
詳しくはコチラのページで解説しています。
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